◆不信と不安な取り調べ

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「でー、先生は、今どこに?」 刑事は、突然、悪者をかくまっているんだろうと言わんばかりに 疑いの声を投げかけて来た。 「だから、先生をどうして疑っているんですか!」 もう、ただでさえ、警察署という重苦しい建物の中で、 心の中が張り裂けてしまいそうな程のストレス。 一人ぼっちで、刑事2人と狭い室内に1時間以上もこもりっきり。 不安と恐怖に押しつぶされているのに、涙をこらえて 精一杯の声を張り上げた。 「先生は本当に心の透き通った人なんです。人の為なら 自分の事なんてお構いなしなんです。」 「でもね、1人行方不明なんですよ?分かっています? 24才の女性、無断欠勤無し、金銭トラブル無し、異性トラブルも無し。 連絡が取れなくなって1週間。通っていた『リラクゼーションのお店に行く』と 連絡をしたきりです。」 「そのリラクゼーションのお店の先生も1週間行方不明。だから先生を疑っているんですよね?」 と、怜美。 「疑っているわけではありません。事実を確認したいだけなんです。接点はあるのかどうか。 どういう関係なのか。まぁ、成人している男女ですからね。」
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