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「でー、先生は、今どこに?」
刑事は、突然、悪者をかくまっているんだろうと言わんばかりに
疑いの声を投げかけて来た。
「だから、先生をどうして疑っているんですか!」
もう、ただでさえ、警察署という重苦しい建物の中で、
心の中が張り裂けてしまいそうな程のストレス。
一人ぼっちで、刑事2人と狭い室内に1時間以上もこもりっきり。
不安と恐怖に押しつぶされているのに、涙をこらえて
精一杯の声を張り上げた。
「先生は本当に心の透き通った人なんです。人の為なら
自分の事なんてお構いなしなんです。」
「でもね、1人行方不明なんですよ?分かっています?
24才の女性、無断欠勤無し、金銭トラブル無し、異性トラブルも無し。
連絡が取れなくなって1週間。通っていた『リラクゼーションのお店に行く』と
連絡をしたきりです。」
「そのリラクゼーションのお店の先生も1週間行方不明。だから先生を疑っているんですよね?」
と、怜美。
「疑っているわけではありません。事実を確認したいだけなんです。接点はあるのかどうか。
どういう関係なのか。まぁ、成人している男女ですからね。」
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