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◆運命の瞬間
3年前の春・・・怜美(れみ)は急いでいた。
春の暖かさと、輝かしい世界に包まれて、気分良く
睡眠をむさぼってしまっていたからだ。
―――――――――――――――――――――――
出社しなければいけない時間は過ぎていたが、
それでも、急いで行かなければ申し訳ない気持ちでいっぱいに
なってしまうから、自転車で地元の駅まで全力で走ってきた。
ただ、いつもよりも時間が遅いし、健康の為にと歩くばかりだったので、
駅近くの駐輪場の定期はないし、一時利用の駐輪場もいっぱいで、
別の駐輪場を案内されてしまった。
住宅街の奥にひっそりとしている駐輪場
―――― こんな場所が駅の近くにあったなんて ――――
と関心している場合でもない。
とにかく急いで駐輪場のおじさんに一時利用の紙を見せた。
駅まで2分。
次の急行電車がでるまで4分。
足には少しばかり自信があったから間に合うはずだった。
―――― いっっったぁぁぃ・・・ ―――――――
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