2人が本棚に入れています
本棚に追加
「大丈夫じゃないですよね??」
しゃがみ込んで来た人の麦わら帽子と手袋が目に入った。
どうやら、ガーデニングの最中だったらしい。
草の匂いが鼻をついてくる。
――― 親切なおじさんか。 ―――
とちょっと安堵の気持ちがわいてきた。
「急いでいて、足を挫いてしまったみたいです」
「えぇ、分かっています。見てましたよ。」
――― やっぱり見られていたのね ―――
「救急車でも呼びますか?」
「いや、大したこと無いです。大丈夫です。
ちょっとしばらくしたら、歩けますから」
恥ずかしくて消え入りそうな私の心。
次の瞬間、その人は手袋を外した。
中から出てきたのは、真っ白い透き通るような細い腕。
えっ?
おじさんにしては若すぎる。
何よりも、すごくキレイな手だ。
私よりもずっと白く、肌がきめ細かいのが分かる。
そしてその手が、私の足に伸びてきた。
最初のコメントを投稿しよう!