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『リラクゼーションサロン 癒やし屋』と書いてある
木の看板。
――――――― 癒やし屋? ――――――――
フッと身体が浮いた。
「怪しい人じゃないから、安心して」
そういって、私をお姫様抱っこしている。
落とされないよう、しがみついてしまった。
「大丈夫だから、ねっ」
麦わら帽子の下から、笑顔がのぞいた。
初めて殿方の顔を見た瞬間だった。
一生忘れられない。
心に刻まれた、運命の笑顔。
――― これが、『恋』 ―――
頭の中で、なにかがポンッっとはじけた。
音がしたのか、どうかは分からない。
だけど、急に訪れた心の春。
運命って有るんだ。
その時初めて実感した。
朝からずっとついていないと思っていたけど
このことに出逢う為だったんだって思える。
もう、このまま時が止まって欲しいと
本気で思った。
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