◆運命の瞬間

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『リラクゼーションサロン 癒やし屋』と書いてある 木の看板。 ―――――――  癒やし屋? ―――――――― フッと身体が浮いた。 「怪しい人じゃないから、安心して」 そういって、私をお姫様抱っこしている。 落とされないよう、しがみついてしまった。 「大丈夫だから、ねっ」 麦わら帽子の下から、笑顔がのぞいた。 初めて殿方の顔を見た瞬間だった。 一生忘れられない。 心に刻まれた、運命の笑顔。 ――― これが、『恋』 ――― 頭の中で、なにかがポンッっとはじけた。 音がしたのか、どうかは分からない。 だけど、急に訪れた心の春。 運命って有るんだ。 その時初めて実感した。 朝からずっとついていないと思っていたけど このことに出逢う為だったんだって思える。 もう、このまま時が止まって欲しいと 本気で思った。
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