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のびている耶俥。
それを見遣りながら、(西園寺に)運ばれてきた料理を口にする。
「呼道 勇騎」
「なんだよ」
「お前からは微かに泊進ノ介と同じ匂いがする」
「匂い…って進ノ介を知ってるのか?」
「お前も知っているとは驚いた」
微塵も驚いていない様子で口走る。
ポケットをまさぐり、ジュエルをひとつ取り出す。
そこに描かれているのは、仮面ライダードライブだった。
「アイツと一緒に戦った証だ」
ジュエルを手にするチェイス。
「俺はアイツと、剛と、共に戦い…死んだはずだった」
「何…?」
「だが、気づいた時には耶俥誠司の家の前にいた」
「…ったく、いきなり身の上話してんじゃねーよ」
いつの間にやら目覚めていた耶俥。殴られた痕が痛々しい。
「死んだはずの奴が今此所にいる…てことはナニか?未練とかそういうので蘇った的な」
軽い口調とは裏腹に、耶俥の眼は全く笑っていなかった。まあ数えるくらいしか会っていないが、コイツの笑った所を1度も見たことが無いことに、俺は今更気づいた。
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