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「ったく、なんだっつーんだよもう」 雨にいじめられるわ、見知らぬ男のお付きをやらねばならんわ。 今日はとことん厄日らしい。 流石に豪雨の中、外には出る気が起きないので、先生といおりん先輩が講義に行ってしまえば、必然的に二人きり。 先生的には非常に美味しいシチュなわけで、どっかにカメラでも仕掛けられてやしないかと疑ってガサガサ探したほどである。 「…何をしている」 「…や、ウチの家主ならやりかねん所業を未然に防ごうとだな」 「家主?あの女か?」 「雇い主で家主だな」 「全く似ていないが、家族なのか?」 「勘弁しろ、あんなのが家族とか天地がひっくり返ってもごめんだわ」 「お前に、家族はいるのか?」 やけに家族というキーワードに固執しているな。 何かあるのかまでは知りたくはないが。 「知らん、忘れた」 「…?」 首を傾げるのも無理はないが、語る気がないのを察したのかチェイスは何も聞いてこなかった。
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