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先輩を手近なベンチに寝かす。
「ったく…完璧にただの助手じゃねえか」
ベンチは固く、自然と膝枕の形を取らざるを得ない。
ハタから見てると遊び疲れた彼女を休ませる彼氏であり、少し気不味い。
と、漸くお姫様のお目覚めらしい。
「あれ…?耶俥くん?わたし、どうして…」
「なんか野性動物がでたとかで気絶した人、他にもいたみたいっすね…」
「野性動物…?」
「ま、とりあえず研究室行っててください。チェイスのヤローがそれを追っかけていったんで連れ戻してきますよ…」
「はあ…」
キョトンとする先輩を残し、俺はチェイスのバカ野郎の元へと向かった。
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駆けつけてみれば、チェイスは先程とは別の化け物と交戦中だった。
少々どころかかなり圧されている。
「ったく…!強がりすぎたろあの馬鹿」
携えた宝石を高く舞い上げ
「変身」
黒い鎧装を纏うと同時に
『だぁらっしゃあぁああっ!』
眼前のソイツを蹴りで突き放した。
『何!?何故戻ってきた!』
『何!?じゃねぇよバカ野郎。負けそうになってるだろーが』
突然の乱入に驚いているチェイス。対して敵の方は至極冷静であった。
『なんだ貴様は…。死神の仲間、貴様も仮面ライダーだとでもいうのか』
『仮面ライダー?俺はそんな大層なもんじゃない』
『ならばなんだ…?』
『こいつのお目付け役だよ…さあ、俺のターンだ』
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