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梅雨にも慣れてきた7月の上旬。
外は大雨で、ジメジメしていた。
僕は冷房の効いた部屋で、ベッドに寝転がりながらスマホでゲームをしている。
午後2時半。
この時間はとても眠たい。
あくびをしながら、ゲームを続けた。
(;´Д`)ノθ゙゙ ヴイィィィィン
いきなり誰かから電話がかかってきた。
見ると、親友からだった。
迷うことなく電話に出る。
当たり前だ。
親友であり、幼なじみなんだから。
「どーしたんだよ、お前。
こんな時間に通話なんて珍しいな。
暇なら家に来いよ?」
いつものように話し始めたが、親友の声はしなかった。
『裕希くんよね?お久しぶり。
おばちゃんだけど、分かるかしら?』
電話の相手は親友の母親だった。
なぜか声が震えていて、時々、鼻をすすっているようだった。
「覚えてますよ。あの、春樹は?」
嫌な感じがした。
信じたくなかった。
電話の向こうから、救急車と心電図の音が聞こえるのを…
『あのね…春樹はね…』
おばさんはゆっくり、話してくれた。
春樹が今、話せないということを。
「ありがと…ございます…
今から…向かいます。」
僕は雨の中、カッパも着ずに自転車を走らせた。
どれだけ濡れたって構わない。
風邪を引いてもいい。
今は、すぐに春樹のところに行きたい…!
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