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家に帰り、春樹が撮ってきた思い出の写真たちを見ていた。
やはり、空や植物、風景ばかりだった。
「懐かしいな…」
膨大な量の写真を見ていると、数枚の珍しいものを見つけた。
アイスを食べながら、楽しそうに笑っている僕。
本を読みながら、寝そうな僕。
授業中に居眠りした僕。
人物が撮されていた。
それに僕だけ…
「…行かなきゃ」
いつの間にか晴れていた夕暮れの坂を、たった一人で自転車を走らす。
目的地は決まっている。
幼い頃に作った、秘密基地。
あそこに埋めたはずの手紙を今、掘り出さないといけないんだ。
そうだろ、春樹…
“じゅうねんごのぼくへ”…
End…
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