た、体力は負けてるカモだけど、じ、人生では勝ってるからな!!

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いやはや。 これだから体力測定は嫌いなんだ。 なんで俺は走ってる? シャトルランってなんだ? また鳴るドレミファソラシド。うるさい。 表示されてる数字は11。 周りの人は、余裕の表情で談笑、アンド、ダンスショー。 いやいや、待てって。この脇腹の射し込むような鈍痛はなんだ? 膝関節も悲鳴を上げてきてる。 ドシラソファミレド。 数字が12に変わる。 そもそも、一番最初の準備運動がめっちゃ疲れるんだよな。 本当に本当のこと言うと準備運動しなければ俺は200くらい行くからな、チクショー。 足がもつれる。なんとか踏ん張る。高いドの音でギリギリ線を越える。ツライ。 13に変わる数字が非情、無情。 クラスの人気ナンバーワン。佐川君がスキップしている。 ……そうだ。俺もスキップしよう! 無理だった。足が上がらなかった。 なんでこんなに体力無いのかなー。 そうだ。風邪気味なんだよ俺は。朝に体温を計ったら37.1度あったもん! 因みに平熱36.8度。 無理。もう無理。 視界が鮮やかな緑に変わっていく。三半規管が身体が30度傾いていることを伝えてくる。 線を越えてそのままオーバーラン。床にふらりと倒れこむ。高いドがまだ走ってる連中の地響きのような足音に紛れて聞こえる。 俺、記録、14。 よく頑張った。280m走ったってことは標高280mの山登れるじゃん、俺すげえ。 あー、もー無理だー。 足が鉛みたいだー。身体がフワフワするー。 そう思っていると先生が話しかけてきた。 「次、反復横跳びだぞ」 …………これ、死んだな……。
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