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何のために生まれてきたんだろう、と。
何気ない日々を送っていれば疑問に思う時がある。
自分は誰に必要とされていて、誰のために生きているのか。
そんな疑問なんて愚問にしかなり得ないのだけれども、物心ついた時からこの世からいなくなりたいと思っていた。
消えたい、と思っていた。
空を高く見上げれば太陽が眩しくてどこかに消えてしまいたくなり、夜空を見上げて月を見れば遠くに飛んで行きたくなった。
朝日に照らされて外から聞こえる鳥たちの囀りが聞こえてくれば、憂鬱な気分になり自分は一体何をしてるのだろう、と感じた。
自分の家庭環境が決して悪かったわけではない。
ただ親が私に対して"愛する"という感情が軽く欠落していただけなんだと思う。
その所為でこんな風になったわけじゃない、と思うけれど実際なんとも言えないのが現実だ。
親は死んだ。
と、いうか実際は私が殺した。
けれども今となっては死体すらなくて見えない。
一応、行方不明者となってはいるがあの人達の死体は永遠に見つかることはない。
「紫乃(Shino)」
「なに……スバルくん」
今日も私達はこうしてただ太陽の光でキラキラと光っている川を見つめているだけなのだ。
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