親友の恋

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確かに憲といる時と陵といる時は、接し方が全然違うけどさ。 頭を抱え込んでいる柏木の横で有希が付け足すように口を開く。 「たぶん陽菜の恋する顔が普段の顔と違いすぎて、柏木は“キャラが違う”って思ったんだよ、きっと」 “そうでしょ?”と柏木に目配せをしながら訊いている。 そしたら柏木は、左の掌に右手の拳をトントンと合わせながら、大げさに「そうそう!」と声を上げる。 ていうか、恋する顔って……。 確かに恋はしているけれど、改めて言われるとかなり照れる。 その時「陽菜」と、陵が控えめにあたしを呼ぶ声がした。
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