第二試合 それから

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あれから、中学二年になった。僕、伊吹は近場の中学校に進学しサッカー部に所属していた。あの時の少年団には行かずに少し離れた少年団でプレーした。大会でもゴールを量産して県のベスト32にまで入った。そんなこともあって中学に入るとコーチから先輩まで一目置く存在になっていた。しかし弟はあの少年団を続けもう全国への切符を手にしていた。すごいと思う反面悔しさがあった。親も弟の方にばかり期待してこっちを見なかった。小学6年になり、ありとあらゆるクラブチームからオファーが来た。あのJリーグのジュニアユースまでセレクションに参加してほしいとオファーしているほどだった。しかもU-12の日本代表候補にも選ばれた弟はもう天のような存在だった。しかし腐らずにプレーヤーとして磨き続けた。中二で先輩からフォワードのポジションを奪い、ドリブルとシュートに力をいれた。県大会に出場し県トレセンにも呼ばれた。いいところまで行ったが惜しくも県のベスト8で終わった。しかし来年は全国を目指し頑張ると意気込んだ。それでも弟を見るとあいつは全国制覇を成し遂げ大会のMVPにも選出された。日本代表も決まり、今もポーランドの方で世界の強いやつらと戦っていた。自分の小ささに崩れ落ちてしまった。
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