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下着や服は翼を持つもの特有の背中の空いたものになる。
翼や羽というと折れやすく脆いイメージがあるが、魔王族の翼は体のどの部位よりも頑丈に出来ている。
頭から生えた捻れた角よりも攻撃に使用する真っ黒な爪よりも強度があり、魔王族が防御しなくてはいけないような攻撃を受けた際には、全て翼で受けるというのが、魔王族のスタンダードな戦い方になる。
翼は服に守られている必要はないため、アクトですら翼への装飾品は装備していない。
下着は深い青色で、黒に限りなく近い素材だ。
魔王族とは対をなす天使族の羽を魔王族の闇からつくりだす暗炎と呼ばれる炎に1年ほど燃やしてできる天使の堕翼という高級な素材を使用している。
「相変わらず装備しづらいな」
背中の羽が邪魔をしてなかなか服を着れないでいるが、アクトの強力な身体能力で引っ張っても破れない強力な耐久性と伸縮性に優れているのがその行動を見ただけでわかる。
魔王族の弱点である聖なる力を吸収する力が備わった下着を装備し終わったアクトは次の服を手に取る。
細かい深緑の鎖がガラガラ付いた黒い上着を羽織った。
鎖は金属製ではあるものの、ほとんど光を反射せず不気味な緑の深い色を反射している。
能力はダメージカット。かすり傷や打撲程度の小さなダメージを全て0にする優れた装備だ。
アクトのようにレベルが低いといえども魔王族、かすり傷や打撲を与えようと思うと通常の種族の場合、到底不可能なダメージのためほぼ全てのダメージをカットしてしまう。
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