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女子高校生をJKと呼ぶのなら、男子高校生はDKだよね。あってる?
えっと、なに言いたいか分からないよね。
僕が言いたいことは高校生になれたよってこと。
今は都内の高校に向かって電車で通学中。
いやー、ずっと憧れてたんだよね。電車通学って。
見よ。この朝の通勤、通学ラッシュを。
ものすごいよ。
人がいっぱいで詰め放題みたいな状況なのさ。
いやー、早めに乗って良かったー。
とはいえ満席で席には座れなかったけど。
でも、降りやすいドア方面に陣取ることができた。
それに隣には片思いの幼馴染がいる。
彼女と同じ高校に入学できるんだから僕は幸せ者だ。
そんな事をぼんやりと考えてたら、電車がカーブして大きく揺れた。
バランスを崩した人が多少いたが、ほとんどは普段から電車に乗り慣れている人達だろう普通に立っていた。
が、彼女は電車に乗り慣れていない。
大きくよろけて前方のドアの方に倒れていく。
慌てて僕は右手を彼女の腰にまわして支えるが、今度は僕がよろついてしまった。
瞬時に空いている左手で近くにあったポールを掴んで倒れずにすむ。
ほっとした次の瞬間、僕は気づいてしまった。
彼女を支えているため、僕と彼女の距離が自然と近い。
つい、まじまじと彼女を見つめる。
マシュマロのように柔らかそうな白い肌に桃のようなぷるっとした唇。それらに合う大きな目。濃厚蜂蜜のような茶色の髪は腰のあたりまでウェーブがかかって伸びている。
今は驚いているが、笑った時の笑顔は見る者全てを癒してくれる。
そう、まるで天使のように…きっと、戦争をしている人達がその天使の微笑みを見れば戦いを止めるに違いない!
…まぁ、彼女をそんな危険な所に連れて行かないが。
とにかく、そんなフランス人形のような可愛い彼女とこんなに近くにいるのだから健全な男子はまず鼻血をふくだろう。
現に僕は鼻血が出ている。
もちろん、彼女に付かないよう気をつけてはいるさ。
誤解されそうだから、とりあえず言います。僕は変態ではないです…はい、多分。
そんな僕の鼻血に気がついた彼女はスクールバックからポケットティッシュを取り出し、心配そうに差し出した。
周りにいる制服やスーツを着た男達は羨ましそうにこちらを見ている。
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