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それでも何人かの生徒は、興味ありげに教壇にのぼってチーム分けを確認しにいった。こういうときにクラスに貢献して目立つことのできる生徒たちが、自分の出番を確認しているのだろう。
一人が不満の声をあげた。
「なにこれ、すっげえ偏ってる」
「マジかよ。これ森センが決めたの?」
「やっべえ、うちアレがいる」
「アレかあ」
ひひ、と一人が笑った。
「あーあ。チョー不利じゃん。これじゃ、一回戦敗退決定だろ」
数人で頭を寄せあい、きこえよがしに言って、教室の真ん中近くの席に目をやった。
そこに、アレの席がある。
青山透。ひどく痩せている青年は、机の上に背中を丸め、なにも聞こえていないふりをしてスマートフォンの画面をみつめていた。
ちょっとレトロな感じのする黒縁の眼鏡をかけ、まっすぐおろした前髪の隙間から、小動物が巣の外をうかがうように人を見る。
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