いのち の 色

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 美佐子のお父さんは、隣町の大きな病院に入院していた。  もう、長い間、入院している。  お母さんが病院の先生と話しているのを、きいたことがあった。  治らない病気で、まだいっぱい入院しないといけないそうだ。  美佐子は、お父さんと公園に遊びにいった時のことを、思い出す。  元気な時のお父さんは、よく公園に美佐子を連れて行ってくれた。  そこには、いつも、きれいなお花が咲いていた。  美佐子は、それを思い出しながらいつも絵を描いていた。 「お父さん」  美佐子が声をかけると、病室のベッドで寝ていたお父さんが目を開けた。 「美佐子。来てくれたのか」  お父さんが美佐子の頭をなでてくれた。 「お父さん、これ」  美佐子は、今日かいたお花の絵を差し出した。 「上手にかけたね」  お父さんは、絵を褒めてくれた。
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