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｢……やっぱり､そんな魔物は倒した事が無いな｡取り逃がしちまってる｣
ラヴィードはランカーパスで確認するが､特徴が酷似した魔物は討伐記録すら無かった｡
つまり､捜して倒す他ならない｡
｢なぁフィレナ｡その魔物は､どこに行ったか分かるか？｣
｢ふえ､えっと……森の方へ向かっていきました｣
｢ミーナ､この近くに森ってのはあるか？｣
｢あるわよ｡正式名称は､シーダ樹林って言うんだけどね｣
向かいもしないのに､魔物の動向など訊くはずがない｡
ならば､依頼受理という事｡
｢行くぜ､皆｡お尋ね者の魔物は､ぜってぇ俺達が倒すんだ｣
｢さっすがお兄ちゃん！｣
｢可愛い女の子に弱いよなぁ､お前は｣
｢うるせぇぞ！｣
｢あの､倒してくれるんですか……？｣
｢あぁ､任せな｡フィレナの母さんの仇は､俺達がぶちのめしてきてやるぜ｣
｢あ､ありがとうございます！｣
子供に優しいラヴィード｡
レヴァンにいた頃からこうなのだが｡
｢やっぱりラヴィード君､格好良いなぁ……｣
｢何か言ったか､マーシャル？｣
｢んーん､何でもない！ 絶対倒そうね､ラヴィード君！｣
｢お､おう？｣
魔王討伐隊の一行は宿屋を出て､魔物が向かったと言う森へと出発した｡
魔王討伐隊改め､悪魔討伐隊である｡
シーダ樹林｡
先導をミーナに任せたので､迷う事なく来る事が出来た｡
｢流石隊長､頼りになるじゃねぇの｣
｢えっへへーん､もっと褒めて褒めてー♪｣
｢さて､悪魔とやらはどこにいるのかな｣
来たは良いが､この樹林のどこにいるのかは見当がつかない｡
樹林全体を探す覚悟を決めなければ､少し厳しいか｡
｢ラヴィード坊｡依頼だって､場所なんか大まかな事しか書いてねぇだろ？ つまり､いつもの事だ｣
｢あ､それもそうか｡なら､歩いて探すっきゃねぇよな｣
すると｡
｢っ！ 皆！ 魔物が現れたぞ！｣
流石は樹林｡
すぐに魔物が出て来た｡
｢おいおい､お呼びじゃねぇってんだよ｣
無駄な体力は使いたくないが､エンカウントしてしまっては仕方が無い｡
なので､戦闘開始｡
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