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そして、暫く経って。
「落ち着いた?」
「あぁ。ごめんな、恥ずかしい姿を見せちまって」
涙も枯れ、一つ息を吐いて落ち着いた様子のラヴィード。
取り敢えず最初に出たのは、謝罪の言葉だった。
「もー、また謝ってる。でも、恥ずかしくなんか無いよ? 変な事なんか無かったもん」
「はは……やっぱお前は、戦闘でも精神面でも頼りになるぜ」
「えへへ。どっちも兼ね備えてるラヴィード君にそう言ってもらえると、すっごく嬉しいな」
「おいおい。俺は精神面じゃ、何の役にも立ってないぜ?」
「んー、そんな事は無いよ? だって……」
だってと言った瞬間、マーシャルは顔を赤くさせて言い淀んだ。
言葉にするのが、とても恥ずかしそう。
「だって……何だよ?」
「ふふっ、何でもない。続きは、またいつかね?」
「はは、何だよそれ」
先程までが嘘のような、他愛も無い会話。
それも二人にとっては良い雰囲気。
いつの間にか二人は、会話が途切れてもお互いを見つめ合っていた。
距離も近い。
あくまでプラトニックな関係の二人ではあるが、ムードというものがある。
二人はお互いに顔を赤くさせ、徐々に顔の距離を近づけていく。
その距離、凡そ3cm。
鼻息が顔に届く程の近さ。
高鳴る鼓動まで聞こえてきそうだ。
そして、やや震えている二人の唇が触れ合う……!
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