苦しさと優しさと愛しさ

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「やっほーい! お兄ちゃん、起きて……る!? わっ、生きてたー!」 「いきなりご挨拶だなこの野郎……」 元気良く、ミーナが扉を開けて部屋に入ってきた。 手に、ラヴィードのランカーパスを持って。 「って、何を勝手に俺のランカーパス持ってってんだよお前はぁ! 返しやがれ!」 「いやー、お兄ちゃんって本当に有名なハンターさんなんだね。これ持ってっただけで、皆ざわついてたもん!」 「全くだ。鼻には掛けないが、有名人なのだな」 「ラヴィードって凄ぇんだなー」 そのミーナの後ろから、ファリーとレビンがのそのそと現れた。 ミーナの声が聞こえていたからか、起きているラヴィードを見ても特に何も言わなかった。 「いいから返せって! 変なとこ弄ってねぇだろうな?」 「うーん、弄ってはないけど……」 「けど?」 「勝手にガルドに換金しちゃいましたー♪」 「おまぁーっ!?」 ミーナの手には、ジャラジャラと小気味良い音を立てる巾着袋が握られていた。 ずっしり重そう。 「合計で124000ガルドになってたな。一気に金持ちだぜ」 「ラヴィード、高難易度の依頼を沢山こなしてたみたいだからな」 「じゃねぇよ! 換金しちゃったのかよ!? えっ、もしかして全額!?」 「流石に全部は換えてないよぉ。15000ガルドぐらい?」 「この際金額は関係無ぇよ! 勝手に換金する事に問題があるんだよ!」 ツッコミが止まらないラヴィード。 ミーナの色んな意味で破天荒な行動に、またラヴィードの鼓動が激しくなった。 先程までのシリアスなシーンが嘘みたいだ。
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