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零夜が校庭に向かってる時、拓哉は校内を歩いていた
「ふぅ、懐かしいな」
母校を見て、歩いて、感慨深そうに言った。そして拓哉の足は自然とある場所へと向いていた
三年の教室
自分のいた席になぜか座った
「本当に懐かしい、これからここが洗浄になるからもう来ることは無いんだろうな
そういや、何年前だ、今29だから、もう12年前か」
時がたつのは早いと思いながら席を立ち教室を出た
教室から出た拓哉は零夜を探しに外に向かおうとした
しかし拓哉は足を止めた
隣の教室から気配と物音がした。そして扉が開いた
拓哉にはすでに誰なのか分かっていた
ゲームクロノスで最初に出会ったプレイヤー、派城佳代だった
佳代は拓哉を見つけ、恐れ、怯えた。自分が殺されるのでは、と思ったからだ
たしかに、今この場で殺してもよかった。しかし仲間の言葉を思い出して、それを思い、殺意をおさえて
「碧にしたむくいはお前が碧本人から受けろ。ここでは殺さねぇ」
今の拓哉の言葉を聞いて佳代は少し表情をゆるめた。碧なら勝てると思ったのだ
そんな佳代を冷たい瞳で見て拓哉は再び外に向かった
階段を下り一階まできた
「あいつはどこだ?」
言いながら玄関から出た
瞬間
パーンパーン
銃声が二度聞こえた。それと同時に一人の人間の気配も
拓哉はニヤリと笑って
「向こうは始めたみたいだぜ、どうする?」
校庭の向こう側、ゆっくりと歩いて来る人影に向かって言った
「じゃあ、こっちも始めようか!行くぞ、赤城拓哉!」
「来い!杉原零夜、容赦(ヨウシャ)はしない」
二人は銃を抜き、幼なじみという関係から、殺しの対象に変え、自分達の過去から決別した
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