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自分で母の味を再現すべく、子供を背負いながらキッチンに立った。
作っている間は無心でありながら、出来上がりテーブルに置かれたポタージュスープを見ると母の笑顔が湯気の霞に浮かび涙がにじむ。
「おかえり」
母の声が蘇る。
そうだ…頑張らねば。
彼だって父親なのだ。
いくら私に暴力をふるっても、自分の血が受け継がれた我が子は可愛いんだから。この子に手をあげることはないはずだ。
泣き声が少し苦手だから、イライラしているだけ。
泣き止ませる事が出来ない私が悪いんだ。
頑張ろう…もっと。
ポタージュスープを今一度口に入れ、弱くなった気持ちを奮い立たせた。
そんな日々が続くなか、事は起こった。
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