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「そ、そう! グリュンて入って……!」
「……でも人間なんでしょ?」
ポツリとハチがつぶやき、アタチは言葉を切る。
「人間とコブタ、いくらなんでも恋仲にはなれないじゃん。可愛がってもらうくらいしか……」
「そうだな。明日にでもまた行ってみて、たまに遊びに行かせてもらえるように頼んでこい」
「そんなの……」
うつむくアタチを、横からヒョイとハチが抱き上げる。
「もう……仕方ないな。しばらくは抱っこの回数増やしてやるか。その人だと思ってウチらで我慢……」
「……やだプギ! 違うもん、こんなのあの人じゃない! あの人がいいーーん!」
暴れるアタチを、ハチはベシッと床に叩きつけた。
「こーのワガママコブタ! 飼い主さまに向かってこんなのとはなんじゃあ!」
ポヨンとバウンドしたところを、さらに上から叩かれる。
「だってこんなのだもん! ハチはハチであの人とはちがうプギーー!」
ポヨンと弾んで、ベシッ。
「うっさい! 無理なもんはムリーー!」
ポヨ、ベシ、ポヨベシ、ダムダムダムダム……。
フローリングの床で、まるで毛タマのように細かいドリブルをキメられる。
「ぷっぎーー! ハチのバカぁ!」
「目ぇ覚ませや、色ボケコブタァ!」
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