こぶたのらぷそでぃ

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 こんなに苦しい『好き』があるなんて。  体じゅうの水分が涙に変わって、ポークジャーキーになってしまいそう。 「待ってろチャーコ、俺も手伝ってやるから。な?」  カイが立ち上がってリビングのドアを押し開くと、そこにはハチが立っていた。 「……なんだよ。手伝ってやるだけだ。ちゃんと自分でやらせるか……」 「一瞬……」  小さくこぼれたハチの声にカイが眉をひそめる。 「一瞬だけ……イケメンのコブタになってやりたいと思っちゃったよ……」  その言葉にアタチの雑巾を持つ前足が止まった。 「……はは。そんで俺を捨てるつもりだったのか?」 「ごめん……」  カイが困ったように笑って、ハチの肩を抱き寄せる。 「いいさ。俺よりお前の方がチャーコと一緒に居る時間は長いんだ。歯がゆさも100倍だろうな」  そして二人は、ハチが持っていた二つの雑巾で床を一緒に拭いてくれた。 (ハチ……カイ……) 「ほら、そっち。まだ濡れてるぞ」 「あっ! 鼻水まで垂らしてる。おばかコブタ!」  そうしてアタチたちは、ついでにリビングの床全体をピカピカに磨き上げたのだった……。
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