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オッちゃんが不気味に笑うと、門の陰に隠れていたカイたちが飛び出してきた。
「こらぁ! ウチのコブタの乙女心を笑うんじゃねぇ! 居るんだったら会わせて……あ、ああっ!?」
そしてカイはオッちゃんを失礼にもズビシ! と指さした。
「あんた……清水画伯! 俺、昨日、個展に行ってきたばっかで……作品、どれも素晴らしかったッス! うわああ、こんなご近所さんだったんだ、すげぇ!」
「お? ワシのファンか。そう、描けば命を吹き込むと謳われる稀代の画家、ホマレーヌ清水とはワシの事!」
……なんかどっかで聞いたような。
「このコブタが見たと言うのは……とにかく、そこから庭に入ってアトリエに回りたまえ」
画伯に促され、アタチたちはお庭に面したリビングを覗き込んだ。そこには白い布が掛かった大きな四角いモノが置いてある。
「仕上がったばかりの新作だが特別に見せてやろう。タイトルは【在りし日の諸葛亮 孔明】。ご開帳!」
画伯がサッと白い布を取りさった、そこには……。
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