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――実は、カイとハチは籍を入れてない(トップシークレット)。
「なんでって? んー……強いて言うなら、この倫理支配からの♪ 卒業?」
「そういう形式的な事って気にならないんだよね、ウチら」
イイ歳した大人が揃って青臭い事をのたまい、ニコニコとうなずき合う。
「形式だって大事な時もあるプギ! それに二人とも最初から倫理支配なんかされてないプギー!」
「なにプギプギ騒いでんだよ。別に今のままだって不自由はねーし、充分幸せだろうが」
確かにアタチは今の生活に不満なんかない……けど。
「で、でもさハチ。カイって出張族プギ? 各地に女の人囲ってるってこの前自慢してたよ。イイの?」
「バッ! チャーコお前、ナニ余計なコト……!!」
「別にイイよ。どうせ帰ってくるのはココだもん」
サラッとそう言うハチの両肩を、カイが慌てて掴んだ。
「大丈夫だハチ……俺は他所でどんなにハシャごうと認知だけは絶対しない! 信じてくれ!」
「うん、わかってる」
ニッコリ笑ってハチは台所の方へ行ってしまった。
「……デキた嫁だ……♪」
「正式には嫁じゃないプギ……てかカイ、ものすごくダメなオトコだよ……?」
――そんな飼い主だけど、大好きって気持ちは二人が教えてくれた。
でもまさか、こんなにヘビーな『スキ』があるなんて、その時のアタチは知らなかったプギ……。
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