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ポンと頭に柔らかい何かをぶつけられ、アタチは熱い視線を床に転がったそれに移した。
「あっ! 新しい毛タマ!」
「ニャニ、毛タマ!?」
すかさずヌコリンがソレに飛びつく。
「うにゃ! ゴロゴロうにゃーん!!」
「ずるいヌコリン! プギプギプギー!」
ハチお手製の毛タマは、ビニール製のボールを毛糸のカバーでくるんだもの。
弾みすぎず、毛糸の感触がなんともステキな、お気に入りのお遊びアイテムだった。
「こら、外でやりな! 雨も上がったし、空気が湿ってるうちじゃないとわたあめちゃんも消えちゃうでしょ」
「じゃあお外いくー。わたあめ姫も早くー」
「あ、わたあめちゃん待って。コレどうぞ」
ハチがわたあめ姫に渡したのは、小さな小さなナップサック。
「え……これは?」
「チャーコがね、わたあめちゃんの分も作ってって。ほら、中に熱中症予防の塩飴が入ってるの。あとはハンカチとかも入るよ」
「オレのナップもハチさんに作ってもらたニャ。お出かけの時の必需品ニャ」
途端にわたあめ姫が、ふわっと瞳を潤ませた。
「なんて嬉しいプレゼント……ありがとうハチさん、チャーコちゃん! お礼にみなさんにふわふわの幸せを……!」
「いや! わたあめちゃん、それはいいっ……!」
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