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「わ、わたしのこと、す、好きじゃ、ないんだって…」
自室のベットに体育座りをしながら、彼女は泣いている。
慰めるように頭を撫でる。
ふと上げられたその顔の
潤んだ瞳から流れる彼女の悲しみたちを、
何だか見ていられないような気持ちになって
視線を逸らした。
涙で濡れた白い頬も、白い百合の中で輝く薔薇のような唇も…
私には眩しすぎる。
―私なら、あなたにこんな表情はさせないと。
抱いてしまった感情は
あなたの悲しみごと墓場まで持っていく、苦くてしょっぱい私のひみつ。
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