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親しくなるのに、時間はかからなかった。
それからは、毎日のように一緒にいて、幾つもの季節を君と過ごした。
高校最後の夏。
毎年、大勢の友人達と行く七夕祭りに2人で出かける事になった。
だけど、隣の君が時々見せる、何かを躊躇うような表情に違和感を覚えて。
気のせいだと自分に言い聞かせ、不安をかき消すように君の手をしっかり握った。
花火の打ち上げが始まると2人並んで座り、ただ黙って夜空を見上げる。
終わりが近づいて、一気に打ち上げられた花火の音が鳴り響いた。
ふと君の横顔を見ると、ちょっと切なげな顔でこっちを見つめてて。
何か言ったけれど全然聞こえなくて、でも、聞いても教えてくれなかった。
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