ファンシー

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僕には憧れている景色がある。ネオンサインの行列だ。二段の観光バスに乗ってじっと眺めているとゆっくり歪み、視界から消え、また新たな色が現れる。彼女と一緒にデートをするとしたらこれを一番に勧めてみたい。 寒さに弱い体質からなのか風が肌に当たりすぎて大きなくしゃみをした。このバスを降りる時間っていつだっけ。ひとまず席を立って運転手に「いつになったら止まりますかね」と聞いてみた。 「たぶんあと一時間ぐらいだ」 「そうですか。ありがとう」 僕の意識は朦朧としていた。それから眠った。ぐっすりと。
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