異常という日常

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ラズはこの屋敷の者達にその存在を認められている。 この屋敷の令嬢、ティアの血を吸うことさえも赦される。 いや、望まれる。 ラズがヴァンパイアだからこそ、この屋敷の人々に認められたのだ。 このことは決して他の人に知られてはならない。ヴァンパイアが屋敷に出入りし、尚且つ、その屋敷のたった一人の子供の血を吸うなんていうことは。 だが、これが彼らの日常である。だから、隠すことすら日常となり、その異常性を誰もが忘れ、誰もがその身にいつも感じていた。 時は中世、場所はヨーロッパ。 ヴァンパイアが蔓延り、エクソシストが飛び回り、民が恐怖に震える世界。 ヴァンパイアと人間は敵対関係、喰う者と食われる者。 そんな中の一つの物語。 貴方はこれを、愛だと思えますか? .
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