神を語る殺人者

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そんな微笑ましい光景を見送り、スリンスは祭壇を見つめた。 「主よ…」 跪き、神に祈りを捧げる。 いや、スリンスの表情は悲しみの中に怒りも含まれているため、これは神えの問いかけと言う名の、不満を言うのだろう。 「主よ、何故貴方はヴァンパイアをお創りになられたのですか?人を人でなくしてまで、何故…」 呟くように、そして、十字架に掛けられたイエスを睨むかの如く見つめながら。 「ヴァンパイアとなった人々を、救済と言って危める。僕らエクソシストは、もはや神を語る殺人者でしかないのでは…っ!!」 ヴァンパイアに血を吸われる時、彼等の牙から液体が流れる。それは人間に淫剤的な効果を齎すと同時に、その身体の造りをヴァンパイアのそれに変えてしまう。 こうしてヴァンパイアは増え、そしてエクソシストが狩る。 元は人間だったものを、人間であるエクソシストが殺すのは確かに殺人と言えなくもない。 「主よ、貴方は僕らをどうしたいんですかっ!?」 泣いているのかと思うほど悲痛な叫びは、くぐもって教会に響く。 教会に響くこの叫びは、はたして天まで、神まて届くのか。 .
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