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「沙耶、沙耶、沙耶、沙耶…」
桜が舞う広場で、俺は君を抱きしめたまま。
「沙耶、沙耶、沙耶、沙耶…」
君の旋風に口付ける。
もう何も考えられない。
「嘘…でしょ…」
腕の中で君が小さく呟く。
本当に嘘みたいだね。
でも、きっと、君が言う運命なんだよ。
暫く君を抱きしめたまま。
「沙耶、このまま一緒に何処か遠くに行っちゃおうか」
「え?」
君のキョトンとした顔を見て、我に帰った。
『まずは彼女のことを考えたれ』
….淳、そうだったよな。
「ああ、何でもない。…少し歩こうか」
君の手をギュッと握りしめ、引き寄せ歩き始めた。
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