イチハウソ wanna build our future

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理科準備室でインスタントコーヒをいれた。 空気を入れ替えるために開け放った理科室の窓を抜けて、昼食を終えた生徒の遊ぶ声が遠くに聞こえた。 (……触れてはいけない人) 彼女との間に、見えないけれどとてつもなく高い堤防が、、、現れた、よな。 「せっかく会えたのに……」 コーヒーをコクリと一口飲んだ。 「嘘…だろ…」 大きく息を吐いて目を閉じ、パンクしそうな頭の中を整理しようとした時に、ドアがノックされた。 「はい」 俺はダラダラと音の方へ向かい、内鍵をカチャリと開けた。 ドアを開けるとそこには、ドストライクの彼女が立っていた。 もう、名前は知っている。 小林沙耶。 「先生、あのー」 俺を見上げる色白で小さな綺麗な顔。 長いまっすぐな黒髪。 あどけなさが残る、真の強そうな瞳。 真っ白な嵐山が蘇る。 さっき作ったばかりの堤防が、あっけなく決壊した。
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