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「何よあんた、失礼な子ね。一体どこの子なのっ!」
母親のヒステリックな叫びにちょっと肩をすくめると、
「和巳の小学校の時の同級生だよ。覚えてないの? オバサン」
嘘をついた。
今のクラスメートだと気づかれていないのなら、ここで素性をバラす必要もない。
「和巳も行っちゃったし、おれも帰るよ」
リュウは、今度は部屋のドアをくぐって階段を降り、家の中を通って外へ出た。
玄関にはどうしていいかわからない様子の香織とクレナが、ふたりして手を取り合って戸惑っている。
リュウはふたりの肩を押して、回れ右を急かすと、とっととその場を逃げ出した。
大人への嫌がらせに、靴をはいたまま家の中を通過してやった。
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