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その時、クレナが音を立てて立ち上がった。
「混合リレーのメンバーは、みんなに文句がなければこれでいきましょう。異存があるなら、今のうちにどうぞ」
クラスを見まわすが誰も手をあげない。
だが誰かが小声で言った。
「でもアカリちゃんが何って言うか……」
「大丈夫」
クレナが声をあげた。
「重永クンにお願いするってクラス全員で決めたんだもん。たとえリレーを棄権するようなことになっても、みんな後悔しないよね」
みなお互いの顔をながめやりながら、なんとなくうなずきあう。
「だったら決定。みんなで決めたクラス意思に、先生ごときから文句は言わせないわ」
頼もしい学級委員の顔で黒板の前まで戻ってきた。
「じゃ帰りのホームルームはこれでおしまい。練習スケジュールは他のクラスと相談してまた報告します。みんな、お疲れさまでした」
クラスメートたちはガタガタと椅子をならして、部活動や帰宅など、それぞれの理由で散っていった。
なんとなく教室に取り残されて、クレナと香織とリュウだけになる。
「では、学級委員と実行委員とで、重永くん家に行ってみますか」
クレナは弾みをつけて立ち上がった。
ふたりはその後に従った。
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