花ももの里の4兄弟

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なのにそんな平和な景色の中から、言い争いをする声が聞こえてくる。 「だからさぼらねぇって言ってるだろ。そんなに睨んでんじゃねーよ」 「だって秋哉兄、ちょっと目を離すとすぐいなくなっちゃうじゃない。ただでさえ今年は雪が多くって、枝が折れてんだからさ。ちゃんと片付けないと、後で春兄にどやされるよ」 「冬依が言わなきゃバレねえーんだよ」 「ヤダよ。なんだってボクがひとりで掃除――」 散々にケンカしていたのに、はっと気づいたようにふたりは同時に私の方を見る。 どうやら兄弟らしくふたりの息はぴったりだ。 ふたりはそのままジーッと私を見つめて目をそらさない。 私の顔に何かついているのかと、思わず頬に手をやるが、大丈夫、さっき涙はぬぐっておいた。image=500772831.jpg
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