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せっかくなのでその席に座っていると、ただ花に見惚れる私の背中側から、淹れたてのコーヒーが差し出される。
振り返ると、また別の男性だった。
夏樹さんとは違って、今度は純和風の映画俳優さんみたいな顔立ち。
「ここは、いいところでしょう」
「ええ……、すごくキレイです」
お世辞でもなんでもなく、素直な言葉になった。
「ようこそ勝原へ。俺はここのオーナー、来生春一」
「じゃあ秋哉くんや冬依くん、それに夏樹さんの?」
「兄です」
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