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なんて事だ……。
私は目の前の光景に尊さを感じ涙を流した。
こんな幸せな事があってもいいのだろうか。
仕事を手伝ってもらった挙句、こんな……
こんなにも綺麗で素敵で高そうな先輩のお部屋に招待してもらえるだなんて!!
終電を逃した私は今蛍先輩の家であるマンションへ来ている。
『仕方ねーから泊めてやる』
そう言ってくれた蛍先輩、本当に素敵。
この部屋、めっちゃ尊い……っ。
「おい、桜唯……ってお前なんで泣いてんの?」
「先輩ってマジで神様ですか?見た目とか諸々神様としか思えないんですけど」
「は?意味わかんねえ事言ってんなよ。それよりホラ。俺のだからちょっとデカイかもしれねぇけど」
そう言って先輩が渡してくれたのは上下セットのスウェットだった。
受け取ってから再び大量の涙を流す。
「いいんですか?こんな下等生物ごときがこの眩いばかりに輝くこの神秘の衣に袖を通しても」
「眠すぎて頭更におかしくなったわけ?いいからとっとと風呂入って寝ろ」
「先輩は……」
「一緒に入らねぇからな」
「うぅ……っ。ですよね……」
「お前女なんだから彼氏でもない奴と一緒に風呂入ろうとすんなよ。もうちょっと自分の事大事にしろ」
先輩は呆れたような顔をするとそのまま何処かへ行ってしまった。
たとえ彼氏じゃなくても、私は蛍先輩が好きだから一緒にいたいだけなんだけどな……。
ため息をついてお風呂場へ向かう。
綺麗に片付いていてカビ1つないお風呂場を見て私は感動した。
私の所とは大違いだ。
なんでゴムパッキンにカビがないんだろ?
はっ!?
もしかして先輩、お風呂入らない系!?
なんてワイルド!!
鼻血が垂れてきてニヤニヤしてしまう。
さっさとお風呂入って先輩を夜這いしよう。
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