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お風呂から上がると私は先輩を探してウロウロしていた。
先輩どこだろう?
てか部屋多すぎじゃない?
もしかして先輩、私に見つけてほしくて隠れてるとか?
何それめっちゃ可愛い。
「むふふっ。先輩どこですか?隠れていても必ず見つけ出しますからね?かくれんぼしてる先輩くっそ可愛い……」
「うるせぇ」
後ろから頭を叩かれて(凄い勢い)脳がグラグラする。
だがそんな事はどうでもいい。
「先輩!見つけた!!」
「はいはい。いいからお前もう寝ろ」
「え!?一緒に寝ましょうよ!!」
「寝ない」
「どうしてですか!?先輩お風呂入らないワイルドタイプなんじゃないんですか!?」
「誰がだ。ちゃんと入るに決まってんだろ。それから男に簡単に『一緒に寝よう』なんて言うんじゃねぇよ。この痴女」
「ああ!!蔑み尊い!!」
「気持ちわりぃな。ほら、ここで寝ろ」
そう言って私を連れて来てくれたのは寝室。
て、事は……。
「このベッド使え。俺はソファーで寝る」
やっぱり先輩のベッドだ!!
「先ぱ……!!」
パタンと閉まるドア。
ちょっ……。
こんな興奮する部屋で1人取り残さないで!!
ゆっくりベッドに近づく。
それからベッドに手を掛けた。
瞬間、いつもの先輩の甘い匂いがしてクラっとする。
ダメだ。
これ絶対寝れないやつだ!!
「どうしよう……」
でもせっかく先輩が使わせてくれるんだ。
こんな機会絶対もう訪れない。
いや、そうでもないかも。
だって私が先輩の彼女になれば訪れるかもしれないんだから。
「先輩の彼女か……」
そう呟いてベッドの横に座る。
いつかそうなればいいな……。
そう思いながらゆっくり目を瞑った。
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