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―――「おそくなっちゃったなぁ」
僕の名は桜崎 輝(サクラザキ ヒカル)
ごく普通の本好きな高校生
ちなみに、もうすぐ進級する
春休みも後わずか
僕は折角の機会にと行きつけの古本屋に行き
長居していっぱい書い、夜遅くに帰って今に至る―――
「はぁ~、また長居しすぎちゃった
もうすぐ新学期だから、早く帰って準備しなきゃ
いけないのに…
急がなきゃ―――」
明日から新学期
僕は買ってきた本の袋を片手に持って、帰路を走る
―――
「ただいまー」
僕はちょっと息を切らしながら、自宅のドアを開ける
「―――………え?」
その時、想像を超えた光景に僕は絶句する―――
「な、何これ…」
僕がいたのは家のなかではなく、牢屋の中
むき出しのトイレに白いベット
部屋一面を囲む本棚の壁
そしてベットに座って本を読む、鎖に繋がれた男―――
「君は?どうやってここに入って来たんだ?」
この声を聞く中で、後ろの鉄格子が音を立てて閉まった―――
そう、これが僕と「彼」の出会い
僕と彼の物語の、始まり―――
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