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僕はすぐさま鉄格子を開けようとするも、全く開く気配がない
「はぁ…、どうして開かないんだろう…、てゆうかなんて僕がこんな目に…」
思わず振り向くと、男の人が僕が落とした紙袋から本を取り出し、興味深く眺めていた
「えっ…」
鎖に繋がれていた事もあるけど、僕が逃げる時も見つめていて何もしてこなかったし
今の態度にこの本棚…、もしかしたら…
僕は思わず、男の人に声をかけていた
「よ、読みたいのこれ…?」
恐る恐る声をかけると、男の人がコクリと頷く
「じゃあ…、一緒に読んでいい?」
僕がそう言うと、男の人は少し表情を変え、黙り込む
「…分かった。じゃあ一緒に読もう」
数瞬後、男は薄笑いでそういいベットにすわる
「うん、ありがとう」
僕も笑顔でそう頷いて男の隣に座り、一緒に本を読み始めた
なぜ、僕がそうしたのか分からない
でも、気分転換で読書したかったのは確かだし…
それに、この人からなんだか怖い感じがしなくて
何より「この人と一緒にいたい」気持ちがあったから―――
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