ACT/1 出会いから始まる一歩

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―――「そうか、この物語はとても面白いね」 「ですよね。僕も今日やっと手に入れた所なんです」 僕と男の人は、僕が持ってきた本をようやく全て読み終えていた ちなみに紙袋は、男の人が僕達の近くに持ってきてくれたし、もちろん僕もお礼を言った さらに男の人は、読む中で僕にいろいろな事を教えてくれた。とてもいい人だ 「あ、いろいろと教えてくれてありがとうございます。えーっと…」 「「ジャック=クリエル」だ。クリエルでいい」 僕の気持ちを察したのか、男の人は僕に自己紹介をしてくれた 「ク…、クリエルさん。教えてくれてありがとうございます あ、言い忘れていました。僕の名前は輝。桜崎輝です」 僕も感謝を込めて、男の人ークリエルさんに自己紹介をする 「ヒカル…か。いい名前だね」 クリエルさんもまた、笑顔で僕に返事を返す こんな優しい人で、いろいろな事を知っていて、そして僕と意気投合する程の本好き 僕もこの人に、かなり心を許していた でも、だからこそ気になることがある 「すみません。クリエルさん。一つ聞いていいですか?」 「何だい?輝君?」 クリエルさんの優しい笑顔に 僕は一瞬聞くか迷う だが僕は意を決して 質問をした 「なぜこんなに優しいあなたが、ここに鎖で繋がれているんですか?」 クリエルさんに聞く中で、僕はクリエルさんの全身を眺める 両手を繋ぐ手錠に足枷、そして首輪。その全てが鎖で壁に繋がっている 確かに、こんないい人にするべき拘束ではない この人は一体、なんでここに幽閉されているんだろ? 僕の中で、疑問はどんどん広がっていく
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