0人が本棚に入れています
本棚に追加
―――「そうか、この物語はとても面白いね」
「ですよね。僕も今日やっと手に入れた所なんです」
僕と男の人は、僕が持ってきた本をようやく全て読み終えていた
ちなみに紙袋は、男の人が僕達の近くに持ってきてくれたし、もちろん僕もお礼を言った
さらに男の人は、読む中で僕にいろいろな事を教えてくれた。とてもいい人だ
「あ、いろいろと教えてくれてありがとうございます。えーっと…」
「「ジャック=クリエル」だ。クリエルでいい」
僕の気持ちを察したのか、男の人は僕に自己紹介をしてくれた
「ク…、クリエルさん。教えてくれてありがとうございます
あ、言い忘れていました。僕の名前は輝。桜崎輝です」
僕も感謝を込めて、男の人ークリエルさんに自己紹介をする
「ヒカル…か。いい名前だね」
クリエルさんもまた、笑顔で僕に返事を返す
こんな優しい人で、いろいろな事を知っていて、そして僕と意気投合する程の本好き
僕もこの人に、かなり心を許していた
でも、だからこそ気になることがある
「すみません。クリエルさん。一つ聞いていいですか?」
「何だい?輝君?」
クリエルさんの優しい笑顔に 僕は一瞬聞くか迷う
だが僕は意を決して 質問をした
「なぜこんなに優しいあなたが、ここに鎖で繋がれているんですか?」
クリエルさんに聞く中で、僕はクリエルさんの全身を眺める
両手を繋ぐ手錠に足枷、そして首輪。その全てが鎖で壁に繋がっている
確かに、こんないい人にするべき拘束ではない
この人は一体、なんでここに幽閉されているんだろ?
僕の中で、疑問はどんどん広がっていく
最初のコメントを投稿しよう!