ACT/1 出会いから始まる一歩

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「………」 「ク、クリエルさん?」 黙り込むクリエルさんに、僕は思わず声をかける 「…危険だからだよ」 「?クリエルさん?」 僕は思わず首をかしげる ―――危険だから?こんないい人なのに? 「それってどうゆう―」 聞こうとする僕の口を、クリエルさんが指で塞ぐ 「えっ…」 ―――これ以上、聞かないでくれ クリエルさんは 悲しげな目でそう語っていた 「す、すみません…」 クリエルさんは僕の口元から指を離し、悲しげな笑みを浮かべる 「すまない。だがこの事には触れないでくれ。頼む」 「わ、分かりました」 これしか言えなかった 何かある そう感じながらも 何も聞けなかった――― 「それより輝君。私も聞きたい事があるんだが…、大丈夫かい?」 ボーッとしていた僕は、クリエルさんの言葉に我に返る 「だ、大丈夫ですクリエルさん!」 「…そうか。よかった」 クリエルさんはまた悲しそうな笑みを浮かべる 「し、心配してくれてありがとうございます。で…、聞きたい事って?」 「ああ、最初に会った時にした話だ。私もとても気になるからね」 あ、僕がここに来た時に聞かれた事… 「確か…「どうして僕がここに来たのか」ですよね?」
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