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「ああ、どうして来たのか分かるかい?」
クリエルさんの目は、知りたいという好奇心で溢れていた
でも、正直帰るのに夢中だったからよく覚えていない
ドアを開けて、気がついたらここ…って感じだったから―――
「そ、その…」
僕がなんとか話そうとしたその時、首元のネックレスがキラッと光る
[輝君 それは?]
僕が取り出したネックレスを、クリエルさんが興味深く見つめる
[それは…、兄の形見です]
肌身離さず着けている 鍵のネックレス
あの日、僕の兄さんからもらった物
[形見…、兄がいたのかい?]
[はい…]
僕の表情を見て察したのか、クリエルさんはこれ以上聞かなかった
まあ、僕の時もそうだったし…
この事は、聞かれたくない事だからね
僕が鍵を見つめてると、鍵についていた
宝石が 照明を受けて光る
―――!!!
[そうだ…、思い出しました]
「本当かい?輝君?」
あの時は急いでいたから気付かなかったけど、今の光を見て思い出した
「はい…、あの時 僕の鍵が光っていたんです」
家のドアを開けた時、この鍵が輝いていたという事に―――
多分、これが僕がここに来たきっかけだったんだ
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