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3 友達?
次のライブの日は貴明にもバレているし、きっと行くだろうこの学校の子の目もあると言ったら、練習場所を教えてくれた。
メンバーのひとりの家の車庫の二階を使っているらしい。
「いつでもどうぞ。知里ちゃんなら歓迎するから」
貴明にあんな目に合わされたメンバーの方々にもお詫びがしたいし、あたしは差し入れを持って、先輩の言葉に甘えることにした。
あたしの様子は浮かれていたのだろう。
事実、夢を見ているような気分だった。
それでもいつもと調子を変えないように注意していたのだけれど、二限目が終わってから登校してきた貴明の視線が気になって、
「ねえ、昨日の宿題難しかったよね」
「消しゴム、貸してくれない?」
意味のないことをクラスメートに話しかけた。
貴明は、気持ち悪いくらいにおとなしい。
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