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――小学5年生の頃。
あたしはまだ男の子と遊ぶことに抵抗がなくて、
その日の気分で男の子たちと走って帰ってゲームに混ざったり、女の子たちとおしゃべりを楽しんだりしていた。
あたしはその日、女の子たちと公園でアイスを食べていた。
ゴミ箱に向かって投げたアイスの棒は外したけれど、そんなことは気にも止めず、おしゃべりに夢中だ。
するとひとりの男の子が、アイスの棒に集っていたアリを見つけて、踏み潰し始めた。
一緒にいた女の子が、それを見て、
「ヤダ。かわいそう」
と顔をしかめる。
あたしは、振って湧いたような正義感に突き動かされて、
「あんたたち、やめなさいよ!」
立っていって男の子に注意した。
けれど、
「なにカッコつけてんの?」
たちまち他で遊んでいた男の子たちも駆けつけて、あたしは囲まれてしまった。
昨日まで、あたしも一緒に笑いながらアリを踏み潰していたのだから、ムッとしたのだろう。
でも出した言葉は引っ込められない。
そんなの格好悪い。
あたしは男の子たちと喧嘩になった。
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