3 友達?

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男の子たちに周りを囲われて、真ん中にただひとりの女の子のあたし。 『かわいそう』 と言った子は遠巻きに見ているだけだ。 あたしは背中を突き飛ばされて地面に膝と手のひらをつく。 昨日まで一緒に遊んでいた子たちから、暴力を振るわれる怖さ。 自分の周りがいきなり敵ばかりになってしまった、独りぼっち感。 そして、男の子になり始めていた腕力と、女の子でしかないあたし。 たくさんの人数に囲まれている、救いのない状況。 そんな中に飛び込んできたのが貴明だった。 貴明はまだあたしより背も小さくて、腕も足も細くて、結局、 「この男オンナ。女の味方ばっかしやがってオカマかよー」 いかにも小学生らしい悪口を言われるまで、ふたりしてコテンパンにやられた。 でもあたしは、貴明が助けに来てくれたことがうれしくて、ずっと泣いていた。 すりキズも痛かったし、怖かったし悔しかったけれど、それでも貴明が味方だったことがうれしくて泣いた。 「タカだけがあたしの味方だ」 最初にそう言ったのはあたし。 「ずっと一緒にいてタカ」 そう望んだのはあたし。 だけどそんなタカを裏切って、あの遠巻きにあたしを見ていただけの女の子と同じように、 『貴明とは関係のない人間』 という顔をしようとするのも、あたしだった。
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