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音楽と同時に先輩はユキになる。
あたしを溺れさせ興奮させ、何もかもを忘れさせてくれる。
今日は衣装もつけていなくて、ステージでもなくて、それでもユキの声はあたしを陶酔させる。
あたしは夢中で聞いた。
ライブでは一緒に踊ったから、音は全身で聞いたけれど、今日は心で聞いた。
ユキの曲はロックだけれど、先輩のやさしいところを知った上では、その奥を感じようとする。
ユキはいつもライブで、
「頭で考えるな」
と言うから、あたしは心で考える。
あたしはただ、ユキの曲に浸る。
ユキの声は、あたしの心を突き抜ける。
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