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汗みずくで一曲終わって、先輩が二曲目に入ろうとするその瞬間、
――突然、
先輩たちが歌う正面、あたしの背後の窓ガラスが外から割られた。
何もかもを壊すようなガラスの割れる音と、吹き込んできた生ぬるい空気に、思わず振り返る。
外から、暴力的にバットをふるって窓ガラスを割ったのは、
「……タカ」
貴明だった。
鋭利に割れたガラスの向こうに貴明の顔が見える。
貴明は砕けたガラスのこちら側にあたしを見つけて、
ニヤリ
と笑った。
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